- ジェラルド・ヴァルキリー
- リジェ・バロ
- アスキン・ナックルヴァール
- ペルニダ・パルンカジャス
この4人はユーハバッハ親衛隊と呼ばれる、星十字騎士団(シュテルンリッター)のなかでも最強クラスのメンバーです。
ユーハバッハは戦っていた星十字騎士団を犠牲にしてまで、この4人を強化しています。
その親衛隊は、零番隊や隊長格を圧倒するだけの実力も充分です。
この4人は、『各時代の戦争がモチーフ』だそうです。
千年血戦篇の最終盤に出てくるキャラクター4人のモチーフについて、考察してみたいと思います。
親衛隊のモチーフは『戦争』
作者の久保帯人先生は、コミックス73巻の扉絵で、
「親衛隊のモチーフは各時代の戦争」
と言われています。
古代・中世・近代・現代
これらが、親衛隊4人に当てはまるというわけです。
しかし、誰がどの時代がモチーフであるという事までは書かれていません。
このユーハバッハ親衛隊のモチーフ。
あなたは、誰がどの時代だと思いますか?
人によって考察は変わってくるとおもいますが、僕はこうではないかと考えました。
古代=ジェラルド・ヴァルキリー
中世=リジェ・バロ
近代=アスキン・ナックルヴァール
現代=ペルニダ・パルンカジャス
古代の戦争=ジェラルドのモチーフ
ジェラルド・ヴァルキリーは、霊王の心臓そのものと言われており、親衛隊の中でも分かりやすく強いキャラクターです。
ジェラルドの主な能力
- 攻撃を受けると、その分だけ巨大化し再生する。
- 剣を傷つけられると、その相手を自動的に傷つける。
剣と盾を持つ、古代ヨーロッパの戦争に出てきそうな、いかにも『兵士』といった風貌。
「ホプリテス」と呼ばれる古代の鎧兜は、重さが30kg以上あったそうです。
時代によって防具や武器は改良されます。
ひとえに古代ヨーロッパと言っても、形を変えたり軽量化したり、変わり続けていたようです。
ジェラルドのつけている兜も、前が見えにくそうですね。
ちなみに、ジェラルドは兜はつけているものの、鎧は着ていません。
戦争の兵士ではなく、闘技場で戦う剣闘士は、実際にこのような姿で戦っていたようです。
戦い自体が見せものなので、派手に流血が見えやすいように。
という結構残酷な理由だそうです。
中世の戦争=リジェのモチーフ
リジェ・バロは、ユーハバッハから最初に能力を与えられ、更に自らを『神』と名乗る人物です。
リジェの主な能力
- ライフル型の銃による狙撃で、全てのものを等しく貫通する
- 自分への攻撃も貫通させ、無効化する
- 通常では、ほぼ不死身の『神』に变化する
戦闘後半は、人知を超えた神になってしまうリジェですが、元々の特徴は銃にあります。
戦争において、銃が主に使われるようになり始めたのは中世です。
(もちろんリジェの持っている銃は、万物貫通の能力もあり、ただの銃ではありませんが)
初期の銃は、1400年代にヨーロッパで生まれた「タッチホール式」と呼ばれるもの。
火薬に点火して弾を飛ばすという仕組みですが、持ち手はなく、見た目はただの長い筒です。
日本では1543年、種子島にポルトガル南蛮船が漂流したことから銃が伝わりました。
織田信長が大量に用いたことで有名ですね。
近代の戦争=アスキンのモチーフ
アスキン・ナックルヴァールは、地上から唯一、親衛隊に連れてこられた滅却師です。
好戦的ではない雰囲気ながら、他の3人の規格外の強さに引けを取らない能力でした。
アスキンの主な能力
- 致死量を操り、相手の体内の物質を毒物にする
- 自身に対する免疫を操り、敵の攻撃からの耐性をつける
- 脱出不可能な猛毒の空間に、敵を閉じ込める
『毒入りボール』『猛毒領域』など、アスキンは攻撃名にも一貫して「毒」が関係しています。
毒と戦争を結びつけるとすると、第一次世界大戦ではないでしょうか。
一度に大量の死傷者をだせる事、心理的効果が高い事。
色々な利点があり、第一次世界大戦では「毒ガス兵器」が大量投入されました。
しかし、非人道的と非難され、1925年に戦争における化学兵器の使用は禁じられました。
現代では、テロリストによる使用が危惧されています。
ちなみに、広島県の大久野島は、毒ガス製造が行われていた事で有名です。
現在は『ウサギ島』と呼ばれる、数百匹のウサギ達の楽園になっています。
現代の戦争=ペルニダのモチーフ
ペルニダ・パルンカジャスは、滅却師でありながら霊王の左腕そのもの。
一番謎めいた親衛隊でしょう。
見た目も変わった形をしており、喋ることすらほとんどありません。
ペルニダの主な能力
- 自身の神経を、他者に通わし他者の身体を操る
- 神経から得た情報を元に、瞬時に自分自身を進化させる
- 斬り落とされた部分等はすぐ再生し、分裂する
現代は核兵器をはじめ、高度な技術によって色んな兵器が開発されています。
まず、生物兵器です。
ウイルス兵器やバイオテロを思い浮かべると、ただの爆弾等とは違う怖さがありますよね。
国際法で生物兵器は禁じられていますが、映画などではウイルス兵器が使われるシーンをよく見かけます。
恐ろしい話ですがそんな映画のような戦争が、不可能ではない世の中です。
生物兵器・ウイルスは、ペルニダの能力である「自分の身体に入ってくる、支配してくる」という点と通ずるものがあります。
次に、AI兵器です。
AI(人工知能)が自分で考え、自分で行動する。
そんな兵器が不用意に放たれたら大変なことになります。
既に懸念されている事は、AIが自分で進化を始め、人間を追い越す事です。
このAI兵器的な要素が、ペルニダの能力である「情報を得て、自身を進化させる」という点と通ずるものがあります。
おわりに
この久保帯人先生の扉絵を読んだとき、僕はしばらく考えました。
ユーハバッハ親衛隊の4人は、強いだけあって、姿も能力も変化したりします。
どこかに明記されていない事で、逆に読者は考察することができますね。
あなたは、ユーハバッハ親衛隊の、誰がどの時代の戦争のモチーフだと考えますか?
ご覧いただきありがとうございました。