斑目一角の斬魄刀・鬼灯丸(ほおずきまる)。
その卍解、龍紋鬼灯丸(りゅうもんほおずきまる)はBLEACHの作中でも『最弱の卍解』の呼び声が高い卍解です。
最弱のレッテルを貼られたこの卍解に希望はないのか?
無理矢理でも希望は見いだせないのか?
考察してみたいと思います。
龍紋鬼灯丸・概要
始解の鬼灯丸は、槍に見える三節棍で、そこまで大きなものではありません。
しかし卍解すると、斧に似た形状の三つの大きな刃に変化。
これはサイズ的にもかなり大きく、一角の身長と同じか、それ以上の大きさです。
斧の内2つは柄がついており、斑目一角の両手に。
1番大きな斧は、その両手の斧に鎖で繋がれています。
この一番大きな斧に刻まれた龍の紋章が龍紋鬼灯丸の最大の特徴でしょう。
ビジュアル自体は非常に良く、まさに直接攻撃系といったカッコよさがあります。
相手との戦闘を重ね、その刃が壊れるほどに龍の紋章が赤く染まり、霊圧が上がっていく。
という能力も有しています。
龍紋鬼灯丸が最弱の卍解と言われる理由
①設定と矛盾した能力
まず、龍紋鬼灯丸が最弱の卍解だと言われる最大の原因は、設定とのミスマッチな能力です。
BLEACHの設定上、卍解は壊れてしまうと修復できない。というものがあります。
しかし何ということでしょう。
あろうとこか龍紋鬼灯丸は壊れる事を持ち味とした能力。
壊れると強くなるが、壊れたらもう直せない。
この最大の矛盾、ミスマッチが最弱たる所以なのです。
②刃の耐久性が皆無
斑目一角は、腐っても十一番隊第三席。
剣八の称号の下で闘う強い死神です。
卍解の刃が壊れるほど苦戦を強いられる事は基本的にはない…
と、言いたい所ですが、龍紋鬼灯丸の刃は異様にもろい事も弱い卍解の理由の1つです。
龍紋鬼灯丸が作中で初めて使われたのは、エドラド・リオネス戦。
エドラドはグリムジョーの従属官(フラシオン)のひとり、いわば雑兵。
藍染の作った破面の中でも最低クラスの、序盤の破面です。
この最低クラスとの戦いでも、エドラドのイエロ(硬質化した皮膚)に、刃はゴリゴリ削れていきました。
そして、最終的に衝突によりほぼ全壊したのです。
こんな武器で十刃(エスパーダ)とまともに戦おうものなら、一発でコナゴナ…かもしれませんね。
最弱の卍解のレッテルを無理やり剥がす
さあ、本題に入っていきましょう。
ここまで散々な思いをしては、斑目一角も黙っちゃいない。
最弱のレッテルを、頑張って無理やり剥がしていきましょう。
①限定解除なしの戦闘だった
エドラドが出てくるシーンでは、エドラド以外に5人の破面が空座町に現れ、それぞれ仲間と対峙しています。
- グリムジョー・ジャガージャック(No.6十刃)
- シャウロン・クーファン
- ナキーム・グリンディーナ
- イールフォルト・グランツ
- ディ・ロイ・リンカー
この中で真っ先に朽木ルキアによって倒れたのはディ・ロイ。
しかしディ・ロイはこの仲間内で見放されるほど軽率で弱い。
エドラド曰く、「破面だってのが信じらんねぇ位の出来損ない」。
イールフォルトにも「カス」呼ばわりされており、酷い言われようです。
仲間なのに、もはや可哀想です。
逆に、そのディ・ロイを除いたメンバーは、他の隊長格でも叶わないほど強いということ。
十刃であるグリムジョーは言うまでもなく強く、朽木ルキアと黒崎一護を圧倒。
シャウロンは大紅蓮氷輪丸が効かず、日番谷冬獅郎は血まみれに。
ナキームは松本乱菊を戦闘不能に。
イールフォルトには、狒狒王蛇尾丸を完全に止められました。
なんと、限定解除の前に対等に敵と戦えていたのは、斑目一角だけじゃないか!
しかも、日番谷冬獅郎、阿散井恋次の2人は卍解を完封されていました。
しかし斑目一角の卍解・龍紋鬼灯丸は、限定解除なしであの威力を出していたのだ!
限定解除の許可が下り、それぞれが本来の力をもどした途端、戦況は覆ります。
もし、限定解除の恩恵が斑目一角が戦っているときにもあったなら…
現世に隊長格の死神が派遣されるときは、5分の1に霊圧を抑えられます。
つまり、通常ではエドラドとの戦いの5倍の威力は単純にあるはず。
たしかに、パワー型に特化しており目立った特殊能力も無い。
だが、自慢のパワーに関しては、並み居る他の卍解を超えている事は事実でしょう。
補足・限定解除について
しかし、限定解除に関しては、前述した話の根幹を揺るがすほどの可能性が1つあります。
斑目一角は、BLEACH内で、このシーンの前後のストーリーにおいても、十一番隊の事実上のNo.2。
「隊長格」扱いはされている死神です。
この破面とのシーンにおいても、戦闘や周囲とのやり取りから見て斑目だけ格下扱いはされてはいません。
しかし、厳密には十一番隊副隊長は『草鹿やちる』なのです。
斑目一角は第三席なので、このシーンにおいて斑目一角には霊圧の限定がかかってなかった可能性もあるということも述べておきたいと思います。
元の力量を考えても、霊圧の限定をかけられているべき死神ですが、もし仮に、斑目一角のみアレで全力だったとしたら…
もはや更木剣八率いる十一番隊の上官とは思えない弱さなのでは…
②他に最弱の卍解候補は無いのか
龍紋鬼灯丸が弱いのは事実。
鬼道系の特殊能力も無しの力の塊。
こればかりは認めたとして話を進めましょう。
だがしかし、最弱というのなら龍紋鬼灯丸の他にもあるのではないか!?
雀蜂雷公鞭
まず、二番隊隊長・砕蜂の卍解。
『雀蜂雷公鞭(じゃくほうらいこうべん)』
パワーでゴリ押すタイプの卍解として引き合いに出すとしたら、まずはこの雀蜂雷公鞭でしょう。
ミサイルを1発放つ。その単純明快な力のゴリ押し。
モチーフとしては、始解である『雀蜂』の能力である「弐撃決殺」を、「一撃必殺」にしたようにとれます。
しかし、実際の威力はあまりなく、作中では一撃必殺という雰囲気では到底ありませんでした。
しかも、雀蜂雷公鞭は撃った砕蜂にも相当なダメージを叩き込んでしまう。
一撃必殺どころか1発しか撃てない卍解なのです。
龍紋鬼灯丸も、力しか能力の無い卍解とはいえ、
回数制限や、斑目一角自身がダメージを負う必要は必ずしもないのです。
鐵拳断風
次に、九番隊隊長・六車拳西の卍解。
鐵拳断風(てっけんたちかぜ)
こちらも、強いとはとてもいい難い能力の卍解。
鐵拳断風を引き合いに出した理由としては「リーチ」。
龍紋鬼灯丸は描写的に、意外とかなり大きいうえに、鎖で3つの刃を振り回すという芸当もできます。
たとえ刃がもろいとは言えど、凶器は凶器。
なんだかんだで、巨大な斧を振り回す攻撃はインパクトはあるのではないでしょうか。
それに対し、鐵拳断風はメリケンサックのような刃のリーチしかない。
旋風のように連撃を叩き込む能力がいかに強力であろうと、元の斬魄刀よりリーチが短くなるというのは如何なものでしょうか。
しかもおそらく、旋風のように連撃を叩き込む能力自体そこまで強くないのでは…
- 自らもダメージを大きく食らう、雀蜂雷公鞭。
- 能力以前に相手によっては当たりもしない、鐵拳断風。
鬼道系の能力の無い卍解の目立った例として、2例挙げました。
これらと並べたとしたら、『龍紋鬼灯丸が間違いなく最弱だ』と自信を持っては言えない気がします。
(全部弱いのは確かですが笑)
③龍紋鬼灯丸が本当の卍解名でない可能性
阿散井恋次の卍解、狒狒王蛇尾丸(ひひおうざびまる)。
しかしそれは、半分の力。
本当の卍解の名は、双王蛇尾丸(そうおうざびまる)でした。
卍解習得から浅く、蛇尾丸から認められていなかったため、本当の名を教えてもらっていなかったのです。
斑目一角は、『更木剣八隊長の元で戦いたい』という野心のため卍解できる事を秘密にしています。
- 第三席という事。
- 卍解をあまり使わない事。
- 使わないゆえ、鍛錬していない事。
これらから考えて、阿散井恋次と同じく鬼灯丸から卍解を認められていないという可能性もあるのではないでしょうか?
龍紋鬼灯丸が本当の名ではないとしたら、ここからが斑目一角の本領発揮かもしれませんね。
鬼灯丸という名前について
そもそも鬼灯丸の「鬼灯」の部分はどこから来ているのでしょうか。
赤い毛のような装飾が植物の鬼灯っぽいから?
と最初に思いましたが、なんだか薄い…
ここからは完全な憶測の話になりますが、植物の鬼灯には薬効と毒性があります。
もしこの薬効と毒性という鬼灯の要素が斬魄刀にあるとしたら…
まさか、始解の鬼灯丸の血止め薬!?
あれは斑目一角ご本人の持参物でしょうから、能力にしてしまうのは無理がありますね(笑)
ただ、その推察で進めるとしたら、卍解の名が龍紋鬼灯丸でなかった場合、本当の能力として「毒性」をモチーフとした能力が付与される事もあるかもしれませんね。
ただの希望的観測、憶測の話でした。
まとめ~斑目一角の卍解は弱い
改めて斑目一角の戦闘シーンを読み返して思ったこと。
龍紋鬼灯丸について、ここまで書いてきて思ったこと。
斑目一角は、やっぱり弱い!
残念ながら認めざるをえない!
上記でとりあげたエドラドとの戦いのみならず、死神になりたての黒崎一護にも完敗。
一護が助けなければ死んでいました。
レプリカの空座町上空の決戦でも、1人だけ敗北。
転送用の柱を壊される始末。
仮に空座町上空の決戦で、出し惜しみせず卍解していても、負けていたのではと思えてしまいます。
始解も卍解も強いとは言えない斑目一角。
しかし、最弱かどうかは分からない。
龍紋鬼灯丸において、『最弱の卍解』のレッテルを少しでも”ハゲ”たなら、本望です。
以上、龍紋鬼灯丸についての考察でした。
ご覧いただきありがとうございました。