幼馴染の松本乱菊を、藍染から守る。
そう決めた子供時代から、周りを敵に回しても一貫して藍染惣右介を倒す瞬間のために生きてきました。
自らを犠牲にして、悪を討つヒーローはかっこいいですよね。
ブリーチにおける、市丸ギンもそのようなヒーローの1人です。
しかし、奥の手だった『神殺鎗(かみしにのやり)』を使うも敗北してしまいます。
市丸ギンはいつ藍染惣右介に神殺鎗を使うべきだったのか。
どの段階までなら、藍染を倒せる可能性が僅かでもあったのか考察してみました。
市丸ギンの最期について
五感全てを支配する斬魄刀「鏡花水月」(きょうかすいげつ)。
幼い頃から藍染に付き添い、尽くすことで唯一その弱点を知れた市丸。
「鏡花水月の完全催眠の発動前から、刀身に触れておくこと。」
そのとおり、市丸はそれとなく鏡花水月に触れたまま、卍解『神殺鎗』を発動しました。
13km伸びるでもなく、音速の500倍の速さがあるわけでもない。
細胞を溶かし崩す猛毒を仕込むという、いままで隠し通してきた能力。
その結果、藍染の胸部は大きく穴が空き、 体勢を崩したスキに崩玉を奪い取る市丸。
大ダメージを与え、終わったと思いきや…
崩玉は既に藍染惣右介に完全に取り込まれており、また藍染は復活してしまいました。
その後、市丸ギンは復活した藍染に殺されてしまいます。
結果論ですが市丸ギンの目算より、時既に遅すぎたのですね。
藍染惣右介副隊長・市丸ギン子供時代
死神になることを決め、藍染惣右介の元についた市丸ギン。
藍染惣右介の部下を殺すシーンが描かれており、当時からかなりの強さだった事がうかがえます。
藍染副隊長も、良い部下ができてご満悦の様子。
モルモットにされた隊士が可哀想ですが…
この頃なら、まだまだ藍染惣右介の力も発展途上。
崩玉をつくる事、死神の虚化に向けて一生懸命だった頃。
しかし、当の市丸ギンがまだあまりに幼いのでここでは倒せないでしょう。
まだ鏡花水月の能力と、対策について知らなかった頃かもしれませんし、なによりこの年で卍解には至っていないはずです。
勝ち目はありません。
市丸と藍染がお互いに隊長時代
コミックス10巻。
まだ藍染惣右介は表面上は優しい隊長であり、市丸ギンを悪役に見せながら暗躍しています。
さらに「鏡花水月」で自らを死んだと周囲に錯覚させ、身を潜めていました。
この時期なら市丸が不意打ちをかければ藍染惣右介を討てていた可能性があります。
市丸ギン本人も成長し、三番隊隊長になっていることから卍解は会得済み。
藍染惣右介は、崩玉はまだ手に入っていない時期です。
身を潜めた藍染に、部下として何度か会ったりしているはず。
その時に一思いに攻撃するチャンスを探すべきだったのかもしれません。
ただ、その場合市丸は本当の意味で「藍染隊長を殺した悪人」になっていたでしょう。
周りは、藍染惣右介の野望をまだ知らないのですから…
破面篇・空座町決戦の時
メガネを捨て、オールバックにイメチェン。
悪役として、護廷十三隊の前に現れた藍染惣右介。
市丸が藍染を討つならこの段階が最期のチャンスだったでしょう。
胸に崩玉が埋まっていますが、まだこの時は崩玉を取り込んで融合してはいません。
さらに、空座町決戦の前半は市丸の近くでかなり悠々としていた藍染。
そのチャンスは何度か作れたかもしれません。
藍染が崩玉を従え始めた時
崩玉を従え、取り込むために、サナギのような姿に進化した藍染惣右介。
「ハンペン藍染」なんていうネーミングをよく耳にする姿です(笑)
市丸ギンのチャンスは、残念ながらこの段階で潰えていまいました。
「感じるのだ、崩玉を従えた私の身体は、かつて尸魂界に於いて比肩するもののなかった私の能力の全てを、遥かに凌駕し始めている」
「九十番台の鬼道ですら、最早躱すに値しない」
進化が始まり、繭のようなものに包まれる時、浦原喜助に放った言葉です。
このころから藍染は、攻撃そのものを避ける意味すら無くなったのです。
原作で市丸ギンが神殺鎗を使った時
ハンペンのような見た目から、繭が破れ完全に崩玉と融合した藍染惣右介。
市丸ギンが『神殺鎗』を使ったのはこの段階でした。
記事冒頭でも述べたとおり、胸部に大きく穴が空き、 体勢を崩したスキに崩玉を奪い取ることはできた市丸。
しかしもう時既に遅し。崩玉は自然と持ち主の身体の中へ還っていきました。
逆に、ここまで進化した藍染にダメージを与えた神殺鎗の威力は、相当強いとも言えますね。
黒崎一護との最期の戦いの時
一度胸を大きく貫かれたからなのか、その後の藍染は胸の崩玉の周りに穴があいた姿になります。
額には第三の目、背中には蝶のような羽が生え、どんどん神へと近づいていく。
もうここから先は、「最後の月牙天衝」を会得した黒崎一護しか止めれるものは居なかったでしょう。
黒崎一護との戦闘シーン後半では、激情した藍染がいよいよバケモノじみた姿に。
「無月」を撃ってもすぐには倒れなかったレベルを考えると恐ろしすぎます。
しかし、無事に市丸の雪辱を果たした一護。
子供の頃から、全てを捨てて藍染を狙い続けた市丸も安心していることでしょう。
最期に
藍染惣右介は、「鏡花水月」の能力以外も只者ではありません。
市丸ギンがいつか裏切ることも予見していた事を考慮すると、崩玉を取り込む前なら尚更スキなど見せなかったかもしれない。
お互いに隊長をしていた時代にはもっと不意打ちなんてできない距離感だったのかもしれませんね。
あの場面で鏡花水月に触れ『神殺鎗』を食らわせれたのは、藍染惣右介が
「もう、市丸がどう裏切ろうが勝ち目はない」
と踏んでいたからワザと食らってみた、とも考えられます。
松本乱菊からは悲しまれ、後輩の吉良イヅルを裏切り、それでも自分を貫いた市丸ギン。
彼が藍染惣右介を討ち取り、ヒーローとして生きている世界線も見てみたいです。
ご覧いただきありがとうございました。