「散れ『千本桜』」
斬魄刀の能力、容姿、背景ストーリーに至るまで、カッコいいを凝縮したキャラクター『朽木白哉』。
その卍解、『千本桜景厳(せんぼんざくらかげよし)』は、始解である『千本桜』の強化版といったところで、花弁の刃の数が増えるというもの。
しかし、それだけではなく様々な形態を有しており、その1つが『殲景(せんけい)』です。
作中では、この『殲景』を黒崎一護に見せた際、「見るのは貴様で二人目だ」と述べており、一人目は明かされていません。
この一人目が誰だったのか考察していきたいと思います。
殲景・千本桜景厳
コミックス19巻、黒崎一護との戦いで初披露された『殲景・千本桜景厳』。
黒崎一護が卍解したことにより、優勢だった白哉が押され始めた為、これでトドメといった雰囲気で発現させました。
花弁の形から、千本の刀に戻り白哉の周囲を囲む姿は圧巻。
このシーンでは自身の手に持った刀で戦うと意を決していますが、全ての刀を操作する事もできます。
全ての刃で一斉に襲う『奥義・一咬千刃花(いっかせんじんか)』は、コミックス終盤の千年血戦篇にて、ジェラルド・ヴァルキリーという星十字騎士団に対して使っています。
そもそも、卍解の真の姿である『殲景』を使わず、基本的には通常の『千本桜景厳』で事足りている実力者であることが凄いところです。
朽木白哉の卍解・殲景を見た一人目を考察
『殲景・千本桜景厳』を最初に見た者はいったい誰なのでしょうか?
黒崎一護ほどの接戦を強いられた事があるのか。
それとも、単純に誰かに見せなければならない機会があったのか。
3人の候補を挙げてみました。
朽木銀嶺
まず、祖父であり元・六番隊隊長の『朽木銀嶺(くちきぎんれい)』です。
卍解は、他人に能力を知られない方が良いという点から考えても、身内である祖父なら見せている可能性はあります。
しかし、身内というならば父親の『朽木蒼純(くちきそうじゅん)』にも同時期に見せていそうなものです。
そこで、銀嶺だけに見せることになったキッカケを考察するのであれば、銀嶺が白哉が隊長になる前の六番隊隊長だった事ではないでしょうか。
六番隊を引き継ぐにふさわしい卍解に至っているか、銀嶺に実力を推し量られた。
または、本気で戦ったという背景があってもおかしくなさそうです。
父親の朽木蒼純は、身体が弱く副隊長でした。
体調面でも、実力差においても、父親と本気で戦うということはなかったはずです。
そして、父親とは言え副隊長に対しては、真の卍解を秘密にしたのかもしれません。
四楓院夜一
次に、元・二番隊隊長の四楓院夜一です。
浦原喜助、握菱鉄裁と共に現世に身を隠すようになるまでは、隊長と隠密機動総司令を努めていた彼女。
朽木白哉とは仲が悪いようで、作中では幼少期の白哉が夜一にからかわれるシーンがあります。
仲が悪いというより、その頃から一方的に白哉が嫌っているのかもしれません。
いかに仲が良くないとはいえ、そこまで戦う事は無さそうにも思えますが、強くなった自分とその真の卍解の姿を見せつけた可能性はあります。
相手を倒す戦いの中で、というよりは、銀嶺の可能性と同じく『真の卍解を披露する』といった意味合いです。
草冠宗次郎のような存在の人物
かなり飛躍した可能性を挙げるとすれば、同じ『千本桜』を持つ者が現れていた可能性です。
劇場版BLEACH『The DiamondDust Rebellion もう一つの氷輪丸』には、草冠宗次郎(くさかそうじろう)というキャラクターが登場します。
彼は、日番谷冬獅郎の『氷輪丸』と全く同じ、『氷輪丸』を持つものでした。
同じ斬魄刀が存在してはいけないという理由から、二人は戦いを余儀なくされました。
日番谷は戦いを躊躇していましたが、草冠が「俺は氷輪丸が欲しい!」と日番谷に斬りかかり敗北。
草冠宗次郎は死亡し、『氷輪丸』は日番谷冬獅郎のものとなりました。
もし、朽木白哉にもそのような相手が突然現れたとしたら。
『千本桜』を使う者が現れ、自分の身が危険に晒されたら。
朽木白哉の性格上、同じ斬魄刀が存在してはいけないという掟に従い、直ぐにその人物を消すという冷静な判断を下すのではないかと思います。
もし、誰かに真の卍解を披露するという意味で『殲景』を使ったのではなく、単純に誰かと激突して戦いになり使ったのであれば、こういった人物がいた可能性を考えてみるのも面白いのではないでしょうか。
殲景を見た一人目になりそうだけど違う人物
『殲景・千本桜景厳』を見た一人目は結局誰だったのか。
もちろん上記の3つも僕個人の考察としての意見ですし、ネットやSNSで色んな方の意見をよく見かけます。
逆に、その中でよく名前が挙がっているけれど、違うのではないかと思う人物を2人挙げてみます。
山本元柳斎重國
総隊長『山本元柳斎重國』は、よく名前が挙がっている人物の1人です。
理由は、隊長になる際の条件として卍解の習得があるため、というものをよく目にします。
更木剣八を例外として、基本的には隊長はみんな卍解を総隊長には見せているため、朽木白哉も例外ではないという事ですね。
しかし個人的に違うと思う理由として、総隊長を含む3人以上の立ち会いの元で試験が行われる事が挙げられます。
もし、隊首試験で『殲景』を披露した場合、おのずと山本元柳斎重國以外の2名以上にも見せたということになっているはずです。
単純に、『千本桜景厳』が使える事を証明すればいいだけで、奥の手である『殲景』まで披露する必要はないのではないかとも思いますしね。
隊首試験でという理由なら山本元柳斎重國は違うのではないでしょうか。
月島秀九郎
完現術者の『月島秀九郎』もよく名前の挙がっている人物です。
理由は、能力の『ブック・オブ・ジ・エンド』を朽木白哉が受けたため、というものをよく目にします。
『ブック・オブ・ジ・エンド』は、斬りつけたものに自分を挟み込み、過去を改変するというもの。
朽木白哉はこの能力によって、月島を昔からよく知る人物に変えられました。
卍解や戦い方など人生そのものを月島と共に歩み鍛錬してきた、と挟み込まれた白哉。
この戦いで『殲景』は使われていませんが、月島はこのとき間違いなく『殲景』を知っていたでしょう。
しかし、そもそも時系列として、VS黒崎一護の方が遥かに先です。
『ブック・オブ・ジ・エンド』の能力下で、黒崎一護よりも前に『殲景』を知る人物にこの瞬間なれただけです。
能力を受けていない双極での戦いのうちから、黒崎一護にあの発言をする事はありえません。
更に、月島秀九郎はこのあと命を落としており、『ブック・オブ・ジ・エンド』の能力も解けています。
最後に
以上、『殲景・千本桜景厳』を朽木白哉が見せた1人目の考察でした。
改めて、可能性のあると思う人物も無いと思う人物も、もちろん僕の個人的な考察になります。
この、「見るのは貴様で二人目だ」以外にもBLEACHには残された伏線も多くあり、読者それぞれが考察できて楽しいですよね。
ご覧いただきありがとうございました。