『已己巳己巴(いこみきどもえ)』。
小説版BLEACH『Can’t Fear Your Own World』に登場した、かなり特殊な存在のキャラクターです。
『産絹彦禰(うぶぎぬひこね)』の斬魄刀としての姿、本来の虚としての姿。
その能力や、過去について解説していきます。
斬魄刀としての已己巳己巴
已己巳己巴は、本来は太古の大虚です。
しかし小説では斬魄刀として登場しました。
3種類の始解を持ち、徐々に成長していくという奇妙な斬魄刀です。
それぞれの始解にそれぞれ違う解号があり、小説内でもその変化に周囲が驚く描写がされています。
① 星を巡れ
1つ目の解号は「星を巡れ(ほしをめぐれ)」。
虚の腕が出てくる能力で、この腕は斬魄刀として成長途中の已己巳己巴です。
成長途中とはいえ、1つ目の解放から威力は凄まじく、虚圏に単身で乗り込んだ産絹彦禰が、複数の十刃を相手にできるほど。
この虚圏への奇襲は、結果的に産絹彦禰が敗北。
已己巳己巴が黒膣を開き、その場から脱出しました。
腕だけとはいえ、黒膣を開くことはできる事から、それなりに自立して力が出せるようですね。
② 葬送り記せ
2つ目の解号は「葬送り記せ(おくりしるせ)」。
已己巳己巴の本体が丸ごと召喚されます。
圧倒的な大きさを誇り、歩を進める度に大地が揺らぐほど。
頭の上に産絹彦禰が乗っかっており、この巨体を霊圧で操縦しています。
大きさ通り、已己巳己巴は屈強。
グリムジョーや、ルピの全力の攻撃を同時に受けてもびくともしません。
さらに、已己巳己巴は図体だけではありません。
周りの霊圧を取り込み、小柄な自身の分身を作り出すことができます。
歩行型から、翼の生えたものまで、姿も様々です。
③ 孵り亡べ
3つ目の解号は「孵り亡べ(かえりほろべ)」。
最後の解放は、2つ目の解放と基本的には似ています。
しかし、より成長した姿になっており、外見は一回り小さく、そして霊圧は大きくなっています。
この頃には、分身すら自立して行動しており、さらに分身が分身を作り無限に増殖できるようになります。
大量発生させた分身が、一気に平子真子に襲いかかるシーンは、小説内でも屈指の名シーンです。
身体に単眼が開き、全方位に虚閃を放つという、ほぼ防御不可能な攻撃も使ってきます。
産絹彦禰に従う気はない
已己巳己巴は、産絹彦禰の霊圧で動き、斬魄刀として使用されています。
そしてそれは、四大貴族・綱彌代時灘の野望を叶えるためです。
しかし、元々は虚圏に住む大虚だった已己巳己巴。
綱彌代時灘への忠誠は全くなく、産絹彦禰に従うことも本意ではありません。
グリムジョーに対し、
「いずれは我があの小童を喰らう。虚圏は我が統治してやろう。」
とまで言っており、已己巳己巴は機に乗じて自分が力を得ることを模索していたようです。
元々バラガンと並ぶ虚だった
已己巳己巴は、バラガン・ルイゼンバーンと同じ時代を生きた中級大虚でした。
バラガンが虚圏での覇権争いをする中で、中級大虚のまま成長。
人型になることを良しとしなかった強靭な意思があったようです。
バラガンの『老い』の力は、已己巳己巴の『無限の成長』と相性が悪かったため、お互い干渉しない事が暗黙の了解に。
バラガンは『虚圏の王』になり、已己巳己巴は『意思を持つ災害』となりました。
零番隊による封印
濃密な霊子を求めた已己巳己巴は、虚圏から尸魂界へ向かいました。
しかし、霊王を喰おうと空へ昇ったところで零番隊に敗北。
和尚に元々の名前を奪われ、塗り替えられた名前こそが『已己巳己巴』。
似たもの同士で喰らい合うという意味を込めた、凝った思いつきの名前だそうです。
そして、二枚屋王悦により斬魄刀として封印。
しかし、二枚屋王悦でさえも完全な無力化はできず、侵蝕型の妖刀に。
浄化してしまうとそれだけで世界の均衡が崩れるため、その妖刀は鳳凰殿の水底に隠されました。
已己巳己巴の最期
小説終盤の已己巳己巴の最期はあっけないものでした。
綱彌代時灘は逃走、産絹彦禰は敗北。
霊王の欠片を奪い取り、自分の番が来たとばかりに気分上々だったところを、更木剣八が真っ二つ。
力を潰し散らされた已己巳己巴は斬魄刀に戻り、再び零番隊のもとへ返ることになりました。
最後に
圧倒的な力を持ちながらも、産絹彦禰に逆らえず。
綱彌代時灘に利用されたあげく、復讐も叶わず。
虚圏での過去の栄光があるだけに、その小物臭がなんだか可哀想になってしまいます。
ちなみに、零番隊と戦う前に山本重國とも戦っているようです。
山本重國はもちろん負けていないはずなので、その勝負はどうなったのか気になります。
そして更に気になるのは、本当の彼の名前ではないでしょうか。
已己巳己巴についての解説とまとめでした。
ご覧いただきありがとうございました。