テレビアニメ版『BLEACH』オリジナルエピソード『バウント篇』。
コミックスは全巻読んだけれど、アニメ版を見ていないという方も多いのではないでしょうか?
『尸魂界救出篇』と『破面篇』の間に挟まれて放送されたこのエピソードは、正直面白くないとも言われています。
『バウント篇』のあらすじ紹介をまとめてみました。
バウント篇・あらすじ
特殊な霊力を持つ人間『バウント』。
バウントは一定の人数しか生息していないものの、不老不死です。
人間の魂魄を摂取して生きている彼らは、暗黙の了解で死んだ人間しか襲いませんでした。
しかし、突如生きている人間の魂魄を求めて活動しはじめ、更に執拗に『滅却師』である石田雨竜を狙います。
浦原喜助の作った改造魂魄『りりん』『之芭(のば)』『蔵人(くろうど)』と共に、黒崎一護たちがバウントを阻止しようとするというストーリーから始まります。
バウント・尸魂界強襲
バウントのリーダー『狩矢神(かりや じん)』の目的は、尸魂界へ乗り込む事でした。
自身を生み出した上で、その存在を抹消しようとする尸魂界への復讐です。
護廷十三隊もバウントへの対応をはじめますが間に合わず、狩矢は尸魂界に隠してあった『浄界章(じょうかいしょう)』というバウントの力の源と融合。
尸魂界と共に爆発し全てを道連れにする力を得ますが、最終的に黒崎一護に敗れ消滅しました。
特殊な人間・バウントとは
バウントは特殊な霊力と力を持っていますが、滅却師と同じくあくまで人間です。
不老不死で、世代を超えて生きている彼らですが見た目の年齢は常に一定。
ちなみに、死んだ人間しか襲わないのは、生きた人間の魂魄を得ると自分自身が代償を負うため。
沢渡(さわたり)という老人の姿をしたバウントが一人だけいるのですが、彼は生きた人間を襲っていたため副作用でそうなったようです。
バウントの武器『ドール』
バウントはドールという意思を持った武器を解放して戦います。
「Zeige dich」という言葉をかけられるとモノから個々の姿へと変化し、能力を発動します。
作中に登場したドールは全部で10体。
- 狩矢(かりや)→『メッサー』風を操る剣の形のドール
- 相馬(そうま)→『ゲーテ』炎を操るゴーレムのようなドール
- 宇田川(うたがわ)→『フリード』蛇を生み出し操るドール
- 鵬、磐(ほう ばん)→『グール』『ギュンター』水から自由に出現できる液体のドール
- 古賀(こが)→『ダルク』鉄球を発射できる鉄の昆虫のようなドール
- 馬橋(まばし)→『リズ』体内に侵入し敵を操れる小動物のようなドール
- ヨシ→『ニーダー』剣と扇が繋がったような二人の意思を持ったドール
- 宇柿(うがき)→『ゲゼル』光を操り影の中から武器で攻撃するドール
- 沢渡(さわたり)→『バウラ』亜空間から出現し相手を飲み込む魚のようなドール
バウントの誕生
はるか昔、尸魂界の技術開発局のような施設が行っていた、不死の魂魄を創る実験。
その実験の失敗により偶然生まれてしまったのがバウントです。
技術開発局の死神の魂魄がベースとなって誕生したために、見た目はその死神たちと酷似しているようです。
蘭島(らんたお)という当時の実験の首謀者と、相馬芳野(そうま よしの)が似ているという作中でのシーンがあります。
狩矢と蘭島(らんたお)
バウント達は人間から吸血鬼とも呼ばれ、周囲から迫害されてきました。
バウントを作り出してしまった蘭島は、洞窟のような拠点に避難させたり、尸魂界にバウントを保護するように働きかけます。
しかし、尸魂界は実験の失敗という悪しき事実を隠蔽すると決定。
バウントという存在自体をなかったことにしようと動き出してしまいます。
結果、死神を頼りにしていたバウント達は、その死神に襲われるという悲しい結末でほとんど絶滅。
その時、蘭島はもちろんバウントを守ろうとし、逃がすことのできたバウントが狩矢だったのです。
狩矢にとって蘭島はある意味恩人でもあり、バウントとしての能力が強くなったのも蘭島がその際にくれた『紋章』のおかげでした。
しかし最終的に蘭島とも戦うことになるので、バウントを生んだという恨みの方が大きかったのでしょう。
バウント篇が面白くないと言われる理由
残念なことにBLEACHバウント篇は評判が悪く、以下のような検索のされ方をされています。
- バウント篇 面白くない
- バウント篇 つまらない
- バウント篇 飛ばす
コミックスにはない斬新なキャラクターが多く登場するので、一見面白そうではあるのですが、実際に僕もバウント篇を見て不評の理由に納得しました。
以下、世論と自身の感想をあわせて紹介します。
1.ストーリーが長い
アニメ版BLEACH、第64話から109話まで、なんと46話もバウント篇は続きます。
特に最序盤、浦原喜助の改造魂魄(りりん、之芭、蔵人)の登場シーンは、敵でもない割にかなりの尺があります。
終盤の狩矢戦までのバウント達との戦いも、「知らないキャラが出てきては勝つ」といった単調なものといったイメージです。
2.尸魂界篇と破面篇のつなぎ
尸魂界篇で朽木白哉を倒し、真の黒幕である藍染惣右介が虚圏へ。
この、今からもっと盛り上がっていくであろうというタイミングで挟まれたバウント篇。
ウルキオラやグリムジョーといった破面、そして仮面の軍勢などが出てくる熱いストーリーを待っていた人からすると余りにも関係ないストーリー。
しかも、話をうまく繋げないといけないため、石田雨竜の滅却師の力が戻ったり消えたりという帳尻合わせのような点も見受けられます。
3.久保帯人先生が監修していない
バウント篇が黒歴史とされている最大といってもいい理由が「久保帯人先生が監修していない」と言われていることです。
どこまでが勝手に作られたものなのか詳細は不明ですが、バウント篇の後に出てくる他のアニメオリジナルと違い、久保帯人先生が唯一認めていないようです。
『BLEACH ベストセレクション』という2008年の再放送では、バウント篇だけが放送されませんでした。
『BLEACH Brave Souls』というスマホ用ゲームでも、バウント篇のキャラのみ登場しません。
テレビアニメ放送時も、明らかにキャラクターの既存イメージとかけ離れたセリフがあったりした事に批判もあったようです。
最後に
実際に僕もバウント篇は飛ばしていたので見たことがありませんでした。
友達から「噂通り本当に面白くない」と聞き、逆に興味を持って改めて一から見てみることにした次第です。
正直、僕も『長すぎる』と感じたし、お世辞にも原作並に面白いとは言えません。
しかし、原作と繋げて考えることのできる部分もあり、BLEACH好きなら一度見てみる価値はあるのかなと思います。
- 浦原喜助や涅マユリより昔から存在していた『技術開発局の前身』
- 十代目剣八を尊敬し、バウントに味方していたオリジナル死神『一ノ瀬真樹(いちのせ まき)』
などなど、それなりに原作と繋がる部分が楽しい面もあります。
以上、BLEACHテレビアニメオリジナルストーリー『バウント篇』のあらすじと紹介でした。
ご覧いただきありがとうございました。