一之瀬真樹(いちのせ まき)は、アニメ版BLEACHのオリジナルエピソード『バウント篇』で登場したキャラクターです。
死神ではないが特殊な霊力を持つ、バウントとの戦い。
その中で、唯一バウントのグループにいた死神について解説していきます。
一之瀬と狩矢神(かりやじん)
一之瀬真樹は、十一番隊に所属する死神でした。
しかし物語の中では何故かバウントに味方し、行動を共にする謎の人物として登場します。
その理由の一つが、バウントのリーダーである狩矢神との出会いでした。
尸魂界から失踪し、放浪していた一ノ瀬。
それを狩矢が救い、以降は側近のような立場としてバウントの仲間となります。
尸魂界を滅亡させようとする狩矢の思惑にどこまで賛同していたのかは分かりません。
いくら失踪した身であっても、尸魂界を滅亡させたいとまで思っていたでしょうか。
しかし、かなりの忠誠を誓っていたようなので、少なくとも反対はしていなかったと思われます。
一之瀬と鬼厳城剣八(きがんじょうけんぱち)
最強の死神の称号『剣八』。
作中で登場する『更木剣八』はその十一代目であり、先代を殺して隊長になった死神です。
そしてその殺された十代目剣八が『鬼厳城剣八』。
一之瀬真樹はこの鬼厳城をとても慕っていました。
更木が現れ鬼厳城を殺した際、周りの死神は剣八同士の決闘を受け入れていました。
しかし一ノ瀬は、尸魂界における『剣八を殺し合いで決める』というしきたりに意を唱え、「更木剣八の元では働かない」と失踪したのです。
鬼厳城剣八の性格の謎
余談ですが、鬼厳城剣八について「部下が尊敬の念を抱くような性格ではないのではないか」という謎があります。
コミックス内で少しだけ触れられいる部分も、鬼厳城という人物には良い印象はありません。
「乱暴な荒くれ者が剣八になった」といったイメージのキャラであり、平子真子には「豚みたい」と言われています。
一ノ瀬がどういった経緯でそんな性格の隊長に心酔したのかは不明なままです。
バウント篇はアニメオリジナルということもあり、久保帯人先生の監修がないまま作られた箇所があると言われています。
もしかすると、アニメ制作者が鬼厳城の性格をあまり重視していなかったのかもしれません。
そういった細かな点も重なり、バウント篇はBLEACHの中でも不評と言われています。
一ノ瀬と更木剣八
一ノ瀬が尸魂界から失踪した原因となった死神『更木剣八』。
鬼厳城を殺し、十一番隊の隊長を受け継いだ更木に一ノ瀬は決闘を申し込みます。
当然勝てる見込みは無かったのでしょうが、負けるどころか更木は勝負を受けてもくれませんでした。
- 「蔦(つた)の様な男」
- 「大木に絡みつかないと生きていけない」
などと言葉を残し一蹴。
一ノ瀬の心の弱さ、誰かを頼りにする生き方が更木剣八には気に入らなかったようです。
しかしバウント篇終盤、更木と一ノ瀬は流魂街で再開することになります。
狩矢の命令に従い無謀な戦いを避けるのか、それとも更木剣八に一矢報いるのか。
一ノ瀬は狩矢の命令に背いてでも『自分の信念』に従い更木と戦うことを選びました。
その覚悟の強さを認めてもらい、更木剣八も勝負を受けてくれることになりました。
最終的に一ノ瀬は敗北するものの、思い残すことのない戦いが出来たようです。
斬魄刀・虹霞(にじがすみ)
一之瀬真樹の斬魄刀『虹霞』は、光を操る能力。
光華閃け(こうかひらめけ)という解号と共に、光の斬撃を飛ばして攻撃します。
光の屈折を利用することで、自分の姿を隠すこともできる鬼道系の斬魄刀です。
十一番隊では真っ向勝負がモットーであり、鬼道系の斬魄刀は嫌われる傾向にあります。
例えば同じ隊の綾瀬川弓親は、ワザと始解を偽るなどして鬼道系の能力を極力使わず戦っています。
そういった観点から見ても、一之瀬真樹という死神は、どこか十一番隊の風潮に似合わない死神だったとも言えます。
彩玉虹霞(さいぎょくにじがすみ)
虹霞の大技。
光のドームのようなものに相手を閉じ込め消滅させることができます。
実際に使われたのは、更木剣八が相手だった時という事もあり、威力不足に終わりました。
しかし一之瀬は、更木剣八相手でもかなりの自信を持って『彩玉虹霞』を使っていたため、本来はかなり強い技だと思われます。
最後に
- 性格が良いとは言い難い隊長、鬼厳城剣八をなぜか慕っていた事。
- 尸魂界自体に強い恨みは無いはずなのに、あまりにもバウントに協力的だった事。
アニメオリジナルキャラだけあり、コミックス本編との違和感が生まれている箇所も見受けられる一之瀬真樹。
しかし、更木剣八との戦闘シーンは印象に残った面白いシーンでした。
強い相手に臆せず立ち向かい、華々しく散るのはカッコいいものですね。
以上、バウント篇のオリジナルキャラクター『一之瀬真樹』の解説でした。
ご覧いただきありがとうございました。