女子高生などの若者の間で、謎の流行りをみせている「まじ卍」という単語。
『卍』この文字を見ると、個人的にはやはりBLEACHの卍解が頭をよぎります。
もし、あなたがBLEACH好きなら、
「まじ卍!」より
「卍解!」と叫んだ数の方が多いのではないでしょうか?(笑)
そもそも、この漢字にはどんな意味があるのでしょうか?
卍(まんじ)の語源
辞書では、インド神「ヴィシュヌ」の胸の旋毛を意味する吉祥の印。とあります。
「ヴィシュヌ」はヒンドゥー教の “維持の神”
世界が悪の脅威にさらされ、混沌、破壊的な力に脅かされた時あらわれる神です。
2017年には、『JCJK流行語大賞』なるものにノミネートされている「まじ卍」。
流行語ではあるものの、まじ卍。という言葉は、特に決まった意味合いはなく
- なんとなくヤバイ
- なんとなく強い
- なんとなく凄い
といった曖昧なノリで使われるらしいです。
まさか、そんな言葉が崇高なるヒンドゥー教のヴィシュヌ神がモチーフの漢字だとは…驚きです。
ただ、人間の描く神様の存在は、今も昔も
なんとなく凄い
みたいなものではあるので、あながち漢字としての意味が通っているのかもしれませんね(笑)
まじ。と、まんじ。の語呂が合わさっただけではない、実は高尚な言葉だったのです。
仏教、地図記号、ナチス
日本では、「卍」は仏教を象徴する漢字です。
ゆえに、寺院の地図記号にも使われています。
仏教における「卍」にもヒンドゥー教と同じ様な、めでたい、幸せ、を意味するイメージがあります。
このように、世界各地で同じ様な印は歴史上作られているようです。
1番近年で似ている印象深い印は、やはりナチス・ドイツのハーケンクロイツ(鉤十字)でしょう。
日本の仏教を意味する「卍」を反転した形は、右まんじと呼ばれます。
1920年にナチ党のシンボルになり、1935年にドイツ国旗に使われました。
「卍」はかつてのナチス・ドイツのシンボルに類似しているとして、問題視される事が多いようです。
例えば、ドイツで徳島県の阿波踊りを披露する際には浴衣の「卍」を自粛したとか。
他にも細かいところだと、ポケモンカードに印刷されていた「卍」に対して抗議が入り変更されたりもしたのだそう。
確かに似ているのは仕方ないですが、日本では仏教と関連のある固有の文字。
幸せのイメージのある文字なので、
「似ていたら全部ナチス・ドイツ!だからダメ!」
ではなく、きちんと区別すべきかと個人的には思います。
ブリーチの卍解と「卍」
さて、漫画「BLEACH」には「卍解」という言葉があります。
個々の登場人物の刀が変化する設定です。
そこそこ皆使える「始解」にたいして、「卍解」は相当な力量をもつ者しか使えません。
「始解」という、刀の形が変わる設定の次の段階のネーミングを「卍解」にしたのは何故なのでしょうか。
BLEACHの卍解を使う人物たちは一貫して、和風テイストにデザインされています。
着ているものから、住んでいる町並みまで和風。
逆に、敵キャラは名前など、全体的に欧米をイメージしたデザインになっています。
更に「卍」は音読みが(マン・バン)であるように、元々は「万」にあたる漢字なのだとか。
つまり「卍解」は、和風・仏教をイメージしたもの。
かつ、全てに手を尽くしたという意味の万。単純な力量としての数値としての万。
色んな意味のこもった言葉だと思われます。
卍(まんじ)という言葉について、流行語やBLEACHのワードについて話してみました。
ご覧いただきありがとうございました。